プロ野球 2016 オープン戦 巨人×日本ハム -札幌ドーム-
【巨人】ギャレ、開幕任せろ4番弾!由伸監督に応えた来日1号3ラン
心の中のモヤモヤを、一振りで消し去った。打球が右中間席に飛び込むと、ギャレットはホッとしたように表情を緩めた。
「(スタンドに)いった感じはなかった。フェンス直撃くらいかと思ったけれど、いいスイングができたから、打球にいいスピンがかかったのかな。打点を挙げられてよかった。(1号?)まだオープン戦。そんなに意味を持つとは思わないけれど、走者を置いてのホームランは特別だね」
初回無死一、二塁、日本ハムでローテ入りを狙う剛球右腕、バースの外角145キロを引っ張った。オープン戦5試合目で、ついに来日1号アーチが飛び出した。
手応えはつかみ始めていたが、納得はしていなかった。先月27日のヤクルト戦(東京D)は3打数2安打で、翌28日の同カードでも3打数1安打。「ボールを呼び込めているし、いい方向には向かっていると思うよ」と言う一方で、「打球の強さも飛距離も、まだまだ良くなるはずなんだ」と悔しがっていた。由伸監督から4番候補に挙げられ、ここまで全試合で4番。その期待に応えたかった。
パワーだけでなく、真面目さも武器の一つだ。日本野球に対応するため、キャンプでは内田順三打撃コーチ(68)と毎日バットの軌道や体重移動を確認。日本人投手の特徴や配球傾向についても、徹底的にレクチャーを受けた。「内田さんが、毎日夢に出てくるようになったんだ」。寝ても覚めても練習漬けというありがたい日々を過ごし、コツをつかんでいった。5回先頭では中前打を放ち、オープン戦は5戦15打数7安打となった。
実は、スパイクはマシソンの借り物で、自分のバットもキャンプ終了後に完成品が届いたばかり。夫人の来日ももう少し先になるため単身赴任状態で、キャンプ後に帰宅すると洗濯から掃除まで自分でこなした。「一人で生活するのは少し寂しいけど、球場に行けばチームの仲間たちがいるからね」と笑う。全ての環境が整えば、パフォーマンスももっと良くなるだろう。開幕4番へ視界は良好だ。
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