プロ野球 2015 巨人×中日 25回戦 -名古屋ドーム-
【巨人】片岡弾!ラグビー大金星で闘志に火「自分で決めてやる」
燃える思いごと、スタンドに放り込んだ。出番に飢えていた片岡が一振りで決めた。「(先発から外れていた)悔しさがあったし、『今日は自分で決めてやろう』と思っていました」。1点リードの5回1死一、三塁から山井が投じた初球の内角ストレートを左越え9号3ラン。4試合ぶりのスタメンで、8月30日の中日戦(東京D)以来の一発を放ち、中日にトドメを刺した。
心は熱く、頭は冷静だった。3戦連続で立岡が座った「2番・二塁」で先発出場。4回、中日バッテリーにしつこく懐を突かれながらもタイムリーを放った長野の打席でピンと来た。「インコースを攻められていたのを見ていたので、初球から思い切っていこうかなと」。内角に目付けをして、狙い通りに来た直球を振り抜いた。4回先頭でも左前にはじき返し、2安打3打点と爆発した。
世紀の番狂わせが、背番号8の燃えるハートを加熱した。前日20日、名古屋の選手宿舎からナゴヤDに向かうチームバスの車内で、テレビ画面にくぎ付けになった。ラグビーW杯で日本が超格上の南アフリカに対し、歴史的大金星を挙げた一戦。「本当にすごかった」。体格で勝る外国人選手に何度も何度も仕掛けたタックル、ラストプレーでの大逆転に触発された。
試合前には、西武時代のチームメートで今季限りでの現役引退を表明した中日・和田の元へ出向き、「お疲れさまでした」とあいさつ。「1年でも長くやれよ」と声をかけられ、力強くうなずいて試合に臨んでいた。