プロ野球 2015 巨人×阪神 16回戦 〜甲子園〜
見せた執念の逃げ切り継投 連敗ストップで首位を奪首
後半戦がスタート。巨人が阪神に競り勝ち、首位に浮上した。原監督は1点リードの8回途中から今季初めて守護神、沢村を投入。勝利への執念を見せる継投で逃げ切り、連敗を4で止め、勝率を5割に戻した。マイコラスは7回無失点、自身4連勝で6勝目。打線は初回に坂本のタイムリーで先制し、9回には長野の9号ソロで加点した。
やることは変わらない。沢村の気持ちはいつもと同じだった。1点リードの8回2死一、二塁。今季36登板目で初めて8回途中からマウンドへ上がった。「回またぎは関係ありません。使ってもらっていることに感謝しながら投げました」。マートンが真っすぐを狙っていると読むと、フォークを3球続け、三ゴロに仕留めた。
9回の味方の攻撃中はベンチでタオルを頭からかぶって集中力を高めた。1死から上本に右前打を許したが後続を断って21セーブ目。表情を変えず、役割を全うした。原監督は「彼は鬼なんだから、笑わない、泣かない。今日、笑っていたら鬼ではないね。1回1/3、2/3を1週間のうちに4回やったとしても彼ならできると思う」と信頼を口にした。
帰りの通路で2人は一緒になった。指揮官が「拓一、回またぎなんて何のそのだよな? 明日もいくぞ」と声をかけると、沢村は「ハイ」と力強く返事をした。
クローザーになって4か月が経過したが、自問自答の毎日だ。「抑えって何が正解か分からないんです。僕はセンスはないし、能力もない。不器用な人間。今の僕にできることはコツコツとやることと、『リリーフをやる』と決めたのだから腹をくくること。これしかできない」。だから、同点でも、イニングまたぎでも、やることは変わらない。
抑えの8回投入だけでなく、原監督は勝利へ執念のタクトを振った。勝負の後半戦を前に「早い勝負に持ち込みたい。早めに仕掛けたい」と話していた通り、初回先頭で立岡が内野安打で出塁すると、2番・井端には送りバントを命じ、坂本の先制打につなげた。得点にはつながらなかったが、6回無死一塁でも4番・亀井にバントをさせた。8回2死二塁でマシソンがゴメスに四球を与えると、わずか6球で交代を告げた。すべては僅差の試合を取るためだ。
昨年の交流戦直前の2カードは1勝5敗と失速したが、指揮官は「目の前の1点を全力で奪いにいく。短期決戦のような野球になる」とナインにムチを入れ、交流戦優勝、リーグ3連覇へと駆け上がった。そして今年。混セを抜け出すため、大事な後半戦初戦でギアを入れた。その象徴が沢村の投入だった。チームの連敗を4で止め、首位に浮上。「守り勝つ」野球を体現。最高の形で後半戦のスタートを切った。
やることは変わらない。沢村の気持ちはいつもと同じだった。1点リードの8回2死一、二塁。今季36登板目で初めて8回途中からマウンドへ上がった。「回またぎは関係ありません。使ってもらっていることに感謝しながら投げました」。マートンが真っすぐを狙っていると読むと、フォークを3球続け、三ゴロに仕留めた。
9回の味方の攻撃中はベンチでタオルを頭からかぶって集中力を高めた。1死から上本に右前打を許したが後続を断って21セーブ目。表情を変えず、役割を全うした。原監督は「彼は鬼なんだから、笑わない、泣かない。今日、笑っていたら鬼ではないね。1回1/3、2/3を1週間のうちに4回やったとしても彼ならできると思う」と信頼を口にした。
帰りの通路で2人は一緒になった。指揮官が「拓一、回またぎなんて何のそのだよな? 明日もいくぞ」と声をかけると、沢村は「ハイ」と力強く返事をした。
クローザーになって4か月が経過したが、自問自答の毎日だ。「抑えって何が正解か分からないんです。僕はセンスはないし、能力もない。不器用な人間。今の僕にできることはコツコツとやることと、『リリーフをやる』と決めたのだから腹をくくること。これしかできない」。だから、同点でも、イニングまたぎでも、やることは変わらない。
抑えの8回投入だけでなく、原監督は勝利へ執念のタクトを振った。勝負の後半戦を前に「早い勝負に持ち込みたい。早めに仕掛けたい」と話していた通り、初回先頭で立岡が内野安打で出塁すると、2番・井端には送りバントを命じ、坂本の先制打につなげた。得点にはつながらなかったが、6回無死一塁でも4番・亀井にバントをさせた。8回2死二塁でマシソンがゴメスに四球を与えると、わずか6球で交代を告げた。すべては僅差の試合を取るためだ。
昨年の交流戦直前の2カードは1勝5敗と失速したが、指揮官は「目の前の1点を全力で奪いにいく。短期決戦のような野球になる」とナインにムチを入れ、交流戦優勝、リーグ3連覇へと駆け上がった。そして今年。混セを抜け出すため、大事な後半戦初戦でギアを入れた。その象徴が沢村の投入だった。チームの連敗を4で止め、首位に浮上。「守り勝つ」野球を体現。最高の形で後半戦のスタートを切った。