プロ野球 2015 巨人×ヤクルト 20回戦 -富山-
巨人・原辰徳監督(57)が31日、9月からの打線爆発に期待した。1日からはヤクルト2連戦(富山、金沢)。前回3タテを食らった相手だが「このところ、いろんな戦いの中でいい勝ち方をしている」と打ち勝ってのリベンジを宣言した。残り21試合。今季は貧打に泣かされ続けたが、最後の直線で本領発揮し、リーグ4連覇へ突き進む。
ファンからの声援に、大きくうなずいた。富山へと向かう前の東京駅で、原監督は「勝負の9月だ」と言い切った。ヤクルトにリベンジか。報道陣からそう問われ「そうだよ。非常に単純な言葉かもしれないけど、一戦必勝、一球入魂が大事になるな」。いつになく声のトーンを上げた。
8月25日からのヤクルト3連戦は、2、0、0と2度の完封負けを含む3連敗。だが、中日戦はレギュラー組に早出特打ちをさせた効果も出て、7、3、9と計19点を奪っての3連勝。「『よーし勢いが出てきた』と思ったら3連敗したり。『はあ~っ』と思ったら3連勝したり。予想不可能のチームなんだよ」と苦笑いしたが、つなぎと破壊力が融合し、本来の打線に近づきつつある。「このところいろんな戦い方の中で、いい勝ち方をしている」。リーグトップのチーム打率2割6分を誇る燕打線に対抗する自信はある。
指揮官は、各選手のスイングや動きで好不調を見極めている。中日3連戦での坂本、阿部は、ボール球を振らなくなり、ギリギリまで呼び込んでの鋭いスイングが出るようになった。「慎之助は、本来に戻りつつある」。村田は30日に右翼席へソロを放ったが、逆方向に強い当たりが出ると良い傾向だ。好調な立岡に加え、片岡、亀井にも思い切りの良さが出てきた。「全員がいい材料の中で先に進める」と言葉に力を込めた。
現在、チーム打率はリーグワーストの2割4分1厘。開幕以降、ずっとこの調子だ。原監督は「種をまいて、何とか9月に花を咲かせられる状態にしたい」と、坂本、長野、阿部に個人レッスンをしたり、野手の休養日を剥奪し、打ち込みしたことも計3度あった。トレーニングコーチと話し、走る量を増やして体のキレを一から作り直した。すべては「勝負の9月」に花を咲かせるためだった。
首位・阪神と1差の3位で残り21試合となった。「最後の最後まで長引く可能性はある。9月中旬というよりも、9月後半くらいかな」と優勝争いは土壇場までもつれるとにらんでいる。ただ、悩み続けた貧打が思い通りに“覚醒”すれば、経験は豊富なチームだけに、一気に抜け出せるはずだ。