新規定で4連覇に追い風!「3球団以上」完全横並びならV
野球デスク(以下、デ) セ・リーグの追加日程が発表された。巨人は10月4日にヤクルト戦(18時・東京D)、阪神も、同じ日に広島戦(18時・甲子園)が入った。しかも上位3球団がみな、この4日が今季最終戦だ。
日本野球機構(NPB)担当・広瀬雄一郎(以下、広) 実はその「10・4」を終えても、上位3球団がまったく同じ勝率で1位に並ぶ可能性が浮上しています。そのため、この日開かれたセ・リーグ理事会で優勝決定方法の規定が追加されました。
デ ペナントレースが佳境を迎えたところで規定追加とは何事だ?
広 現行のアグリーメント(申し合わせ事項)に書かれた条件では、優勝を決められないケースが出てきたんです。
デ なになに。そのアグリーメントとやらを読むか。勝率1位がリーグ優勝だ。万が一、2球団が勝率1位で並んだ場合は「勝利数」「当該球団間の対戦勝率」「前年度上位の球団」の順で決めると書いてある。3球団の場合は、どうなる?
広 3球団以上が勝率で並んだら、〈1〉勝利数〈2〉当該球団間の対戦勝率の合算〈3〉合算した対戦勝率が並んだ球団間の対戦勝率―の順で決めることになってます。でも〈3〉が並んだ場合の規定がなかったんです。
デ そもそもそんな事態、起こりうるのか?
広 計算上は。今のところ上位3球団は1試合ずつ引き分けがありますが、いずれも、当該球団間の試合ではありません。つまり、勝率と勝利数で差が出ない可能性がある。
デ 説明してくれ。
広 例えば巨人が残り試合を10勝8敗で終えるなどして阪神、ヤクルトとともに73勝69敗1分けの勝率5割1分4厘で〈1〉が並んだとします。次は〈2〉。巨人から見れば、阪神25回戦、ヤクルト25回戦を合計するのですが、この50試合分の成績が、3球団とも25勝25敗で並ぶ可能性が残っています。
デ なるほど。
広 そうなると〈3〉の出番ですが、そもそも「勝率が並んだ球団間の対戦勝率」は、3球団とも25勝25敗なわけで条文自体、意味をなしません。
デ ってことは、文言に不備があったということか。
広 その通りです。リーグ関係者も「(条件の)フィルターを通り抜けるのは想定外で、アグリーメント不備」と認めています。3球団完全横並びのパターンは、72勝70敗1分けなど、他にもあります。
デ なんてことだ。それは大いに問題があるが、最終戦は迫っている。とりあえず〈3〉の次の決定基準を作ったわけだな。
広 その〈4〉が「前年度順位が上位の球団」です。
デ そうなると、優勝は…。
広 そうです。昨年Vの巨人が4連覇を達成です。
デ やったな、巨人。去年、勝っといてよかった。
広 いやいや、あくまでもレアケースですから。まあ、今季のセ・リーグは、机上の想像を超える大混戦になっているということです。